「肩たたき」
サラリーマンにとって「肩たたき」という言葉はあまり良い意味でなかったりします。
私もその肩たたきに遭遇しました。
仕事をしているとふいに部長がやってきました。
そしておもむろに私の肩をボンボンとたたくのです。
これが俗に言う肩たたきか。
いよいよ自分のサラリーマン人生も終わりを迎えるのか、次の仕事何しよ、家族をどう養おうかなど一瞬で色々な事を考えてしまいました。
覚悟はしているつもりだったが、いざ遭遇すると動揺するものだなと思いました。
そんな事を思っているとこれを渡されたのです。
「これ好きやろ」
そういって渡されたのがこれです。
なんとスバル360の新聞広告の切り抜きです。
コピーなどではなく当時の本物です。
良かった、悪い方の肩たたきではなかった。
これには大変驚きました。
先ほどまでの憂鬱な気持ちは吹き飛び、この貴重な当時の広告との出会いに大変喜んだのです。
そして鼻息が荒くなりました。
漫画で時々出会う鼻息が荒くなるイラスト、あれは本当だったのです。
私が持っているスバル360の資料と言えばこの雑誌の付録の「スバル360のすべて」くらいなものです。
これだって相当貴重だと思うのですが、まさか当時のものが出てくるとは大変驚きです。
当時のスバル360の新聞広告には値下げの文字が・・・。
製造効率の向上によるものなのか、ライバルの台頭によるものなのか値下げの文字に大変驚きます。
現在の物価高の時代からは想像できないことです。
スバル360は初めて軽自動車規格として登場した自動車です。
より多くの国民に自動車が手に届くものに、という大変重大な使命を持って世に送り出された車です。
長い軽自動車の歴史の始まりがここにあるのです。
そのような貴重なものを頂いて部長、大変ありがとうございます。
「これ渡したの5年くらい前だぞ!!」
「すいません!忙しくて!!」
スバル360の発売日は1958年3月3日。
皆様も60年以上の長い歴史に思いをはせてみて下さい。
雑誌が1冊50円の時代だそうです。
新聞の文字もとても小さいです。