店長の小西です。
最初にお断りしておきますと、この記事は10月後半に書いたものなので、登場するスタッフの格好が半ソデ制服と、実に季節はずれなんですが・・・お気になさらずに読んで頂けたら幸いです。
さて
ディーラーではよく使う、所謂「タイヤワックス」
表題の件は当店スタッフの間でも
「綺麗に見えるから使う」派
「タイヤに良くないと聞くから使いたくない」派
に分かれます。ちなみに私は「条件付で使う」派
下の写真のような黒いボディのクルマには特に使いたい・・・・
ボディの黒に対してタイヤの素材色が気になってしまいます・・・・
ホイールまで黒だとさらに・・・・(泣)
タイヤワックス否定派の人があげる使いたくない理由は「タイヤのひび割れの原因になる」というもの。確かに昔から言われています。確か10年位前か・・・以前勤務していた拠点で某タイヤメーカーによる拠点勉強会を実施した時にも気になって質問したことがありますが、その時の講師の答えは「油性は駄目ですけど水性ならOKですよ」というもの。
私はそれ以来安心して展示車や納車前新車、タイヤ交換をして頂いた方のクルマにタイヤワックスを使用しています。 もちろん「水性」であることを確認してからです。
先日参加した別のタイヤメーカーのスタッドレスタイヤ試乗会でも合間にチャンスがあったので同じ質問をぶつけてみたところ、色々教えてくださいました。
Q.タイヤワックスがひび割れの原因になるってホントですか?
A.「水洗いだけ」が一番いいんですが、水性なら問題ないですよ。油性は駄目ですね。
Q.油性の何がいけないんですか?
A.タイヤには劣化防止剤が配合されているんですが、油性物質を塗布すると反応した中の劣化防止剤(油性)がどんどん外に出てきてしまって、早期にゴムが劣化してひび割れの原因になってしまうんです。
Q.水性なら問題ないということですね?
A. タイヤワックス以外にもひび割れの原因はあるのでそれらに注意して貰えば水性ワックスなら問題ないですよ。
Q.他の原因を教えて下さい。
A. タイヤに取って一番良くないのは「少走行」です。走ることによって劣化防止剤が適度に滲み出てひび割れを防止します。あとはですね、タイヤというのは3つの異なるコンパウンドのゴムを組み合わせて出来ています。今回の質問に関して言うと「サイドウォール」部分は強いゴムで出来ていますので水性タイヤワックスが使えます。水性でも塗らないほうがいいのは「トレッド」部ですね。ここは乗り心地やグリップ力を確保する為に柔らかいゴムを使っていますので、塗らないで下さい。以前ドイツ製高級車でひび割れのクレームがあり調べたところ「少走行」が原因で柔らかいトレッド部だけに症状が起きていました。タイヤワックスも塗っていたかもしれませんね。
Q.水性と油性の見分け方は?ムース状になって出てくるものが油性でしょうか?
A.そういう製品にも水性と油性がありますので一概には言えません。売り場で容器の裏を見ていただくと必ず表記されています。
以上、大変参考になりました。さっそくカー用品店の売り場でチェックしてみたところ確かに!容器のデザインでは判別つきません。水性と油性が混在して売られていますので、しっかりチェックしてから「水性」の表示があるものを買いましょう!ちなみに「サイドウォール」「トレッド」とは下のとおり。黄色のところにはOKですが、黄色と水色の間のところには塗ってはいけません。
さて、この後はタイヤワックスの使い方のコツなどを・・・・翌日に取引先企業での展示会に持っていくクロスオーバー7を綺麗にしてやります。
施行前。洗車後のためこれでもまあ綺麗なんですが・・・
洗車機はタイヤハウス内までは洗ってくれません・・・
では仕上げて行きましょう。スポンジにワックスをシュッと二拭き
サイドウォール部に塗布してやります
タイヤハウス内も一緒にスポンジで撫でてやりましょう
ウェス(着古したTシャツなどを適当な大きさに切っておくとよい)を用意
過度なツヤは下品な為、余分なワックスを拭き取っていきます
拭き取ったワックスが軽く付着したウェスでホイールも撫でてやると綺麗になります
出来ました!
タイヤハウス内も綺麗、滑りが良くなり汚れも付きづらい気がします
ちなみに作業中にハプニングが・・・・うん? んんんん????
サイドウォール外周の一部にコブが・・・・・(汗)
このようにタイヤワックス使用には洗車機洗車だけでは見落としやすい不具合の早期発見にも効果があるのです・・・・・(涙)
このタイヤはメーカーへ引き取られ調査対象になりましたとさ・・・・
以上、タイヤワックスのススメでした。