今年も5月29日にドイツのサーキットで
ニュルブルクリンク24時間レースが開催されました。
ニュルブルクリンクという舌を噛みそうな名前のサーキットですが、
ここは世界屈指の難コースと言われています。
だって1周25km(約です)もの長距離で、
高低差が約300メートルもあって、コース幅も狭い所がほとんど、
コース横にはすぐガードレールでエスケープゾーンが少ない、
そして長すぎるコースのためにここでは晴れてたのに、
あっちに行くと雨だったよ!という困った状況が生まれるんですよ!
こんな場所を高速で走りぬけるなんで御免こうむりたい所業です。
そんな難コースを24時間走り続けるんです。
「一人で走るんですか?」という貴重なご質問を頂きましたが、
4人交代で走ります。
4人なら楽勝!と思うかもしれませんが、このコースを1万キロ走ると
一般道を10万キロ走るのと同じほど車にダメージが及ぶらしいので、
ドライバーの負担も相当なものだと思います。
さてこのレース、出場する台数が多い事でも知られています。
今回は約150台もの車が出場しています。
当然排気量やパワーなどはバラバラ。
上の写真ではWRXの横を大排気量のアストンマーチンが
勢い良く駆け抜けています。
ですので、車の速さの差が大きく、
不公平にならないよう細かくクラス分けがなされています。
WRXは「SP3T」クラスに分類されています。
毎年アウディと激しい戦いを繰り広げているのをご存知の方も多いと思います。
今回参加するWRXには車両サイドとダッシュボードの助手席側に
「がんばろう熊本」のくまもんステッカーが貼り付けられており、
目頭が熱くなりました。
今回もレースは波乱が待っていました。
開始後すぐに雹混じりの雨が降り視界が一気に奪われます。
また、雹のため車が非常に滑りやすくなってしまいます。
WRXも急に降り出した雨に一気に前が見えなくなり、
視界は数メートル〜数十メートルという非常に悪いものになりました。
そういった状況ですので前方の車がスリップしてしまいました。
WRXのドライバー視点では急に目の前に横向きの車がパッと現れるので、
「ぶぶぶぶつかるーーー!!」
という状況をとっさのハンドル操作で回避したのは目を見張るものがありました。
ドライバーも
「天使が舞い降りた」
と表現するほどの鮮やかな回避はインターネッツの動画で確認してください。
雹混じりの雨により事故が多発し、その影響で3時間もレースが中断。
鮮やかに回避したはずのWRXも回避の際に側面に若干のダメージを
負っていることが分かりピットでメカニックが修理して対応しました。
このメカニックがディーラーメカニックなんです。
全国のスバルディーラーで働くメカニックの中から選ばれた人が
ドイツまで行って作業しているんですね。
もちろんメカニックもメンテナンスや修理に24時間対応できるよう
待機しているので大変ですよね。
その後もレースは事故などのトラブルが続く状況の中、
WRXは大きなトラブルも無く順調に周回を重ね、
見事1位でフィニシュ!!
昨年に引き続き今年も1位を獲得する事ができました。
ありがとうございます。
皆さんが乗られているWRXもこのようなレースの現場で培われた技術が
ギュッと詰め込まれたいい車なんです。
ですので、大切に乗っていただけると大変ありがたいです。