サンバー。
それはスバルの軽自動車。
農家や運送などで大活躍の車両です。
そんなサンバーに曰くのあるお店に今回訪ねてきました。
訪ねたのはこちらのお店。
高松空港のほど近くにあります。
おそらく香川県で最も歴史のあるラーメン屋ではないかと思います。
長い歴史の中で店名が読めなくなっているところに、
「間違いない味だぞ」という期待が膨らみます。
昭和を感じる店内はおいしさの証。
おいしいので長年続けられる、という事だと思います。
昼時をはるかに過ぎてもお客さんがいるのもおいしさの証。
パイプを使ったテーブルとイスもとてもいいです。
今では見かける機会が少なくなったこのテーブルとイスは、この店が長年愛されてきたという事だと思います。
それだけの長い期間愛されるのはおいしさの証。
注文したラーメンはこれです。
これぜったいうまいやつ。
流行りのラーメンのような派手さはありませんが、見た目でもう「おいしい」と感じます。
もちろん実際食べてもおいしいです。
おいしいのであっという間に完食できると思います。
ところで何がサンバーなのかというと、この店の壁には2代目サンバーが埋め込まれています。
知らずに見ると事故でも起きたのかと「ぎょっ」とすると思いますが、元々こういう店構えです。
フロント部分は錆びたり変形したりしており、この店の歴史の長さを感じる事が出来ます。
車のドアが今の車とは反対方向に開く時代のサンバーです。
室内は今の車とは大きく違う細いハンドルが目を引きます。
もちろん窓ガラスはドアにあるハンドルをグルグル回す手回し式の窓ガラスです。
なぜお店の壁にサンバーが埋め込まれているのか?
それは店内に秘密があります。
なんと店内はサンバーの荷台部分なのです。
もちろん今ではきちんとした調理場が別にあるのですが、今でもこのスペースで簡単な調理で使われています。
と、特等席じゃないですか!
ここで食べたかったのですが、常連さんで埋まっていました。
なぜこんな事になっているのか?
お店の人に聞いてみました。
「何でサンバーが埋め込まれているんですか?」
「このサンバーで、香川県初のラーメン屋台を始めたんよ。」
「えっ!!そんな貴重な!!」
屋台を始めた昭和40年代は高松のフェリー乗り場の利用者が多く、ラーメン屋台はとても賑わったそうです。
どうやって屋台にしたのか参考にしようとと多くの人が見に来たそうです。
そんな屋台ラーメンのサンバーをこの地に置き、それを覆うようにお店を作ったという訳です。
つまりお店の本体はこのサンバーなのです。
昭和40年代の車両だそうですが、それが今でも一部現役で使われている事にとても感動しました。
香川県といえばもちろん「さぬきうどん」ですが、こちらのラーメンも負けずに名物だと思います。道路沿いにありながら道路からお店がほぼ見えない店構えでも長年続く事からも、とても愛されてきたお店である事が分かります。
高松市の道の駅香南のすぐ近く。
皆様もぜひ香川県にお越しの際はこのお店へ足を運んでみてください。
おいしいラーメンと共に、とても貴重な体験ができると思います。