前回、中古車に入ってきた車の前席のシートベルトに、
シートベルトを固定してしまう部品が付いていたお話しをしました。
その車の後席にも同様の部品が付いていましたので、
今回は後席編をお届けいたします。
「シートベルトくらい前席と同じでしょ?」
と思ってしまいますが、
毎回マジメを貫くカースポット丸亀原田店のHP、
我慢して見てみて下さい。
シートベルトを出しっぱなしにしてしまうこの部品、
このようにシートベルトが巻き込まれず
だらんと出てしまうんですね。
部品を外して元通りに戻した助手席側と見比べると
シートベルトの状態の差は一目瞭然ですよね。
このだらんとした状態でシートベルトを装着すると、
やはりこのように密着しない状態で装着する事になってしまいます。
「シートベルトの締め付けがちょっと・・・」
という方には魅力的な装着かもしれませんが、
よーく考えて下さい。
リヤ側のシートベルトは取り付け位置の都合上、
ゆるゆるだと肩にかかりにくくなってしまいます。
この状態で事故などで前方向に力が加わると、
肩がスルッと抜けて腰のベルトだけで体を支える事になってしまいます。
大昔多くあった腰の部分しかない2点式シートベルトと
同じになってしまう訳です。
シートベルトのたどってきた歴史を考えると、
2点式より3点式の方が事故の際に体を支えてくれる確率は高い訳でして、
それをわざわざ2点式のように使用するのはお勧めできません。
「進化した装備を退化させていいんですか!」
「若くなれるなら時間を巻き戻したいデス!!」
「いや、そういう事じゃなくてですね。」
「あともう一つこの部品を使うデメリットがありまして・・・」
「話の長い男は嫌われるって言ったでしょ?」
「それでもお伝えせねばならんことがあるんです!」
「ハイハイ知ってますよ、シートベルトのバックルを
扉に挟み込んで車体と部品が傷む恐れがあるんですよね。」
それもあるんですが、
この様に後席の背もたれを倒してフラットな大空間にした場合にですね
ちょっと問題がありまして・・・。
助手席側の正常な状態のシートベルトと見比べていただくと、
なんとなーく違いが分かっていただけるでしょうか?
ダランと出たシートベルトの場合、
背もたれを起こすと車体の金具と背もたれの間に
シートベルトが挟まれちゃうんですよ。
早期に気付けば大丈夫かと思うんですが、
過去にシートベルトが傷んでしまっているのを見た事もあります。
シートベルトはとても頑丈で、衝突の際にしっかり体を支えてくれます。
ですがその構造は細い糸を編み込んだようになっており、
金具に挟み込むとほつれてしまったりします。
そんな状態で2トン近い荷重がかかる事を考えると・・・。
※2トンは体重65kgの人間が時速40km/hで
壁に激突した場合にかかる荷重の概算値です。
という訳で安全に関わる部品ですので、
ぜひとも正しい使用をお願いいたします。
せっかく安全性の高いスバル車を選ぶのですから。
「それにしても、普通の状態だとシートベルトが
金具に挟まれない位置に自然と収まる事に驚きました。」
「車ってよく考えて作られてますよね。」
「君も良く考えて仕事したまえ。」
「ハイィ・・・・・。」